分かっているようで、意外と分かっていないのが
テレビ業界ではないでしょうか。
ただ、NHKの場合は
「受信料」として、強制的に徴収しているので、
民放とは根本的に異なっているのですが・・・
民放の場合は、
テレビ番組を一般視聴者向けに放送しています。
だからといって、視聴者から代金を徴収してはいません。
では、いったいどこから収入を得ているんでしょうか。
NHKと民放を比べてみると
NHKの場合は、ご存じのように視聴者から徴収した
NHK受信料から番組制作費が賄われています。
なので、スポンサーに気を使うこともありません。
また、自社で番組・ドラマ制作部門を持っていますから
独自のスタイルで制作することが可能となります。
また、民放に比べて、人気俳優を使う必要もありません。
ドラマなどの制作もコストを抑えることができるようです。
それに対して、民放の場合は
スポンサーからの広告料で成り立っています。
一般的に、スポンサー会社は、電通などの広告代理店に
広告料を支払います。
その広告代理店では、
各局へ(テレビ、新聞、ネット、雑誌)に予算を割り振ります。
そのときに、およそ15%くらいのマージンを取っているみたいです。
例えば、割り振られた予算が、番組1本あたり1億円だとすると、
広告代理店での取り分1500万円が引かれます。
すると、残りは8500万円になりますよね。
「電波料」として4800万円が引かれ、
(電波中継器の数によって決まる)
各地のFNN系地方局に割り振られようです。
※電波料
テレビやラジオなどの放送局が、国から周波数を割り当てられて
行っている許認可事業です。
その放送局は、国に対して「電波利用料」を
支払っているそうです。
自社で制作しているテレビ局側も500万円位を「電波利用料」として
抜かれているんだとか。
8500万-4800万-500万円=3200万円。
これが番組制作費となるようです。
このうちテレビ局側が
「プロデューサー費」として55万円を取って、
1次下請けに3145万円で依頼。
そして、1次下請けが番組制作会社に
860万円で依頼する。
残り2285万円は、スタジオ経費として、
タレント出演料などに使われると言われています。
スポンサーリンク
スポンサーには頭が上がらない民放
民放は広告料が命です。
スポンサーの意向に沿った番組・ドラマ作りをする
必要があるそうです。
各スポンサーは、その時間帯の各放送局の視聴率などを考慮して、
自社が出せる予算を提示します。
そして、放送局と交渉して番組・ドラマのスポンサーとなります。
その際、多くの人に自社のCMを見て貰わなければ意味が
ありませんから、番組・ドラマ制作にも口を挟むことになります。
テレビ局の収入とは
1「テレビ放送事業収入」
テレビ番組の放送とそれに関連する事業により得られる収入です。
①放送収入
テレビ番組の放送そのものから得られる収入で、
「広告収入」とも呼ばれる。
Ⅰ タイム広告収入
民放テレビが設立された当初から存在している
伝統的な収入スタイルです。
タイムCMは、番組そのものにお金を払うスポンサーCMがながれます。
多くの場合その番組を提供する事で、企業イメージをアップしたり、
商品イメージを上げる事を目的としたCMが多くなっているようです。
スポンサー企業の名前が提供番組の前後・途中で紹介される
CMのタイプのものです。
「ご覧の番組は●●の提供でお送りしました」
なんていうナレーションが放送される
30秒のCMがこのタイプです。
Ⅱ スポット広告収入
スポットCMは直接的な売り上げアップを狙うCMで、
通常は「15秒単位のCM」が基本となっています。
このCMでは、商品の魅力を前面に打ち出す場合が
多いようです。
この「スポットCM」は「タイムCM」とは違って、
「視聴率」を買うということがいえます。
例えば、スポンサーが放送局から
100%の視聴率を200万で買ったとします。
20%の視聴率を持っている番組ならば、5本放送すれば
よいということになります。
ところが、、視聴率の悪い番組ですと、100%分の視聴率を得る為には
10%の番組5本と5%の番組を10本使わないと
いけないことになります。
② 番組販売収入
テレビ番組を系列のローカル局等に
販売する事により得られる収入や、スタジオを運用する事により
得られる収入です。
2 その他事業収入
番組の放送以外にも様々な事業をしています。
それらの事業から得られる収入です。
映画や音楽、イベント事業、スポーツ事業、
出版物の販売やビデオソフト等の企画・制作・販売、
不動産事業収入(土地及び建物の賃貸事業収入)等から
得られる収入があります。
テレビ広告費の現状は?
テレビ広告費は 1兆7,913億円、前年比100.9%。
2013年上半期は低迷したものの、
下半期は、アベノミクスによる企業業績の改善もあり、
個人消費の持ち直しなどから
出稿が活発化してきた傾向があります。
特に、スポット広告がテレビ広告費全体をけん引している形で、
その形勢は今年に入っても続いているようです。